非正規従業員が利用可能な福利厚生制度とは

非正規従業員が利用可能な福利厚生制度とは

2019年、非正規雇用労働者数は2,000万人を超えました。非正規従業員とは、正規雇用以外の全ての雇用形態を指し、正規雇用とはフルタイム勤務(1日8時間で週5日など)で雇用期間に期限がない無期雇用の働き方のことを指します。厚生労働省によれば、1996年から2019年まで非正規雇用労働者は、緩やかに増加しているという調査結果が報告されており、今後も増加傾向の見込みです。

そして、このような時代の流れの中、2020年4月に厚生労働省より同一労働同一賃金が施行されました。この同一労働同一賃金の目的とは、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指す

引用:厚生労働省:同一労働同一賃金特集ページ

今回は、同一労働同一賃金の流れを踏まえ、『非正規雇用の従業員』における待遇について、紹介していきます。

この記事を読むことで、

  • 非正規雇用の従業員が利用できる福利厚生制度
  • 福利厚生に対する従業員の満足度

を知ることができます。

福利厚生制度とは

企業が従業員に対して提供する、給与・賞与以外の報酬、つまり非金銭的報酬やサービスの制度を福利厚生制度と言います。福利厚生制度は、企業ごとに制度を設けており、従業員の家族まで適用するサービスもあれば、独自で設けた制度を導入している企業もあります。

また、この福利厚生制度の費用は福利厚生費と呼ばれています。福利厚生費には、大きく2種類に分けられており、1つ目は法律で定められている「法定福利費」。2つ目は企業ごとに独自で定められた「法定外福利費」です。それぞれ、代表的な項目は下記となります。

法定福利費

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険
  • 労働保険
  • 労災保険
  • 介護保険.etc

法定外福利費

  • 通勤手当
  • 食事手当
  • 慶弔金.etc

「従業員」という言葉の定義について

福利厚生制度を導入することで、企業は従業員に対して、様々な福利厚生を提供できます。ただし、ここでよくある間違いが従業員=同じ会社で働いている人ではありません。同じ会社で働いている人の中には、従業員だけでなく、外注先の人や役員並びにフリーランスなど多種多様の方がいます。

では、この従業員とはどういった人々を指すのでしょうか。国税庁によれば、従業員とは雇用契約に基づいて働く労働者のことを指します。下記の表は、従業員の範囲内と範囲外をまとめたものです。

従業員の範囲内

  • 正社員
  • 契約社員
  • 派遣社員
  • パート/アルバイト

従業員の範囲外

  • 役員
  • フリーランス
  • 業務委託
  • 外注先

では、改めて福利厚生の話に戻りますが、企業は”従業員”に対して、福利厚生制度を導入していますが、従業員以外は利用ができません。つまり、同じ企業内で働いているものの、従業員の範囲外であれば福利厚生制度を受けることができないということです。

では、従業員の範囲内であれば、全ての人々が福利厚生制度を受けることができるのでしょうか。

非正規雇用の従業員が利用できる福利厚生制度は少ない

下記のデータは、『導入している福利厚生制度』についてのアンケート結果です。このデータは、『企業がどのような福利厚生制度を導入しているか』をアンケートした結果です。ここで出てきている福利厚生制度とは、法定外福利を指し示しています。法定外福利とは、企業が独自で導入している福利厚生制度です。

出典:(公財)生命保険文化センター:平成14年度 企業の福利厚生制度に関する調査

結果をみると、『慶弔・災害見舞金』や『死亡退職金・弔慰金制度』、『健康診断』はパーセンテージが高いです。3項目は50%を超えており、半数以上の企業が導入していることが分かります。また、『育児補助・ベビーシッター補助』や『託児所・保育施設』はパーセンテージが低く、1%前後の企業しか導入していません。

では、従業員の中でも条件を設けたデータを見ていきましょう。下記のデータは、『非正規雇用の従業員が利用可能な福利厚生制度』についてのアンケート結果です。

出典:(公財)生命保険文化センター:平成14年度 企業の福利厚生制度に関する調査

結果を見ると、『健康診断』や『慶弔・災害見舞金』は高いパーセンテージを得ています。ここで注目すべき点は、50%を超える項目は一つもないということです。

上記、2つのデータから読み取れることは、下記2点です。

  • 正規雇用の従業員のみが、利用可能な福利厚生制度がある
  • 非正規雇用の従業員が、利用可能な福利厚生制度が少ない

では、この福利厚生制度について、非正規雇用の従業員は、どれほど満足しているのでしょうか?

非正規雇用の従業員は、福利厚生制度に対して満足していない

下記のデータは、『正規雇用・非正規雇用の従業員が会社に感じている満足度合い』についてのアンケート結果です。

出典:厚生労働省:平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況

このデータから福利厚生の満足度について、下記2点が読み取れます。

  • 『仕事の内容・やりがい』などの他項目に比べると、満足度が相対的に低い
  • 非正規雇用の満足度は、正規雇用と比較すると3分の1以下である

つまり、非正規雇用の従業員は福利厚生制度に満足していないのです。

これからの福利厚生制度について

同一労働同一賃金が施工され、ますます正規雇用と非正規雇用の垣根がなくなってきています。また、時短正社員やフリーランスなど、より一層働き方が多様化している現代では、正規雇用・非正規雇用を問わず、従業員が会社を選ぶ時代になりつつあります。離職率低下や中途採用で優位に立つためにも、福利厚生制度の見直しが必要になるかもしれません。

従業員が会社を選ぶ時代になりつつあることに加えて、国が推進している”健康経営”により、更なる福利厚生制度の整備が求められる可能性があります。企業内外から求められ始めている福利厚生制度、改めて見直しをしてみてはいかがでしょうか?

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