厚生労働省による助成金も!健康経営とは?

厚生労働省による助成金も!健康経営とは?_20201007

厚生労働省による健康経営の助成金について

厚生労働省のホームページでは、事業者向けに雇用の安定・職場環境改善・従業員の能力向上などに役立つ助成金を多数紹介しています。しかし、現時点で直接的に健康経営をうたった助成金はありません。

健康経営においては「従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資である※1」という考えを基盤としており、それを実行していくために活用できる助成金はいくつか用意されています。

※1 経済産業省HP:企業の『健康経営』ガイドブック参照

健康経営をしていく必要性を感じても、実行するための資金が確保できない…
助成金の数が多くどの助成金を活用すれば健康経営に繋がるのか分からない…

そんな方に向けて、健康経営実践に活用できる助成金を紹介していきます。

※助成金は年度予算によって内容が変わるため、必ず厚生労働省のサイトをご確認ください。(2020年10月時点)

働き方改革推進支援助成金/業務改善助成金とは

働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース

※旧:時間外労働改善助成金)

社員の労働時間短縮や有給休暇取得促進のための助成金となります。社員の生活や睡眠の時間を確保し、健康の保持や過重労働を防止するための制度です。

中小企業を対象に、成果目標の達成状況に応じて助成金が支給されます。支給の対象となる取り組みの幅が広いため、過去の事例などを参考にご利用を検討されてみてはいかがでしょうか。

<助成金の対象となる取り組み>

  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 人材確保に向けた取り組み
  • 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  • 労務管理用機器の導入・更新
  • デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  • テレワーク用通信機器の導入・更新
  • 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
    (小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

厚生労働省HP:働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

業務改善助成金

中小企業や小規模事業者の生産性向上を支援することで最低賃金を引き上げるための制度です。機械設備、POSシステム、コンサルティング等の導入などで事業内最低賃金を一定額以上引き上げた場合に設備投資にかかった費用の一部を助成します。

この助成金は、事業規模100人以下の中小企業が対象となります。実際に助成対象となり、生産性向上につながった事例は下記のリンクをご参照ください。

<生産性向上の事例集>

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/index.html

厚生労働省HP:業務改善助成金

人材確保等支援助成金/受動喫煙防止補助金/キャリアアップ助成金とは

人材確保等支援助成金(旧:職場定着支援助成金)

人材確保等支援助成金とは、事業の雇用管理改善や生産性向上を通して社員の職場定着の促進などを目的とした制度です。6つのコースがあり、それぞれの事業の課題に合わせて助成金を活用していくことができます。

1,雇用管理制度助成コース

事業主が、新たな雇用管理制度の導入・実施した場合助成対象となります。具体的には、評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度(保育事業主のみ)が対象です。

2,介護福祉機器助成コース

介護事業主が、社員の身体的負担を減らすための、介護福祉機器を導入した場合助成対象となります。

3,介護・保育労働者雇用管理制度助成コース

介護事業主または保育事業主が、社員が職場へ定着するのを促進するための賃金制度の整備をした場合助成対象となります。

4,中小企業団体助成コース

事業協同組合等が、事業者の人材確保・社員の職場定着支援のために、中小企業労働環境向上事業を行った際に費用の3分の2を助成する制度です。

5,人事評価改善等助成コース

事業主が、生産性向上のための人事評価制度と、2%以上の賃金アップを含む賃金制度を整備・実施した場合助成対象となります。

6,設備改善等支援コース

事業主が、生産性向上のための設備・雇用管理改善(賃金アップ)等に取り組む際に計画達成助成を支給する制度です。

厚生労働省HP:人材確保等支援助成金リーフレット

受動喫煙防止補助金

健康増進法改正により、2020年4月から原則屋内禁煙化が義務化されました。それにともない、受動喫煙防止対策を行う中小企業の事業主に向けて費用の一部を支援する助成金が「受動喫煙防止補助金」になります。受給の要件は、労働者災害補償保険の適用事業主で、なおかつ中小企業事業主です。

厚生労働省HP:受動喫煙防止補助金

キャリアアップ助成金

中小企業事業主が、非正規雇用労働者の企業の中でのキャリアアップ促進のため、正社員化や処遇改善を実施した際に支給される助成金です。7つのコースがあり、事業に必要なコースを選択して申請します。

  • 正社員化コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 健康診断制度コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 諸手当制度共通化コース
  • 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  • 短時間労働者労働時間延長コース

厚生労働省HP:キャリアアップ助成金

まとめ

今回紹介させていただいた助成金をうまく活用できれば、費用を抑えながら社員の生産性アップや社員の健康の保持・増進に取り組むことができます。健康経営を進めていく中で、ご自身の会社に合った助成金をぜひ活用してみてはいかがでしょうか。